2008年03月08日

突然ですが、「世に万葉の花が咲くなり」

manyo.jpg
90年代型サザンのラボラトリー、パイロットというべきポップなアルバム。
91年10月から92年8月にかけてレコーディングされたが、ムクちゃん(関口和之)が病気(自律神経失調症?)で途中抜け、ツアー「歌う日本シリーズ」には不参加だった。
前作「Southern All Stars」「稲村ジェーン」ではパートタイムで参加だったプロデューサー・アレンジャー小林武史氏、マニピュレーター“川長”こと角谷仁宣氏がフル参戦している。

「世に万葉の花が咲くなり」
1992/9/26

@BOON BOON BOON 〜OUR LOVE [MEDLEY]
AGUITAR MAN'S RAG(君に奏でるギター)
Bせつない胸に風が吹いてた
Cシュラバ★ラ★バンバ SHULABA-LA-BAMBA
D慕情
Eニッポンのヒール
Fポカンポカンと雨が降る(レイニー ナイト イン ブルー)
GHAIR
H君だけに夢をもう一度
IDING DONG(僕だけのアイドル)
J涙のキッス
Kブリブリ ボーダーライン
L亀が泳ぐ街
Mホリディ 〜スリラー「魔の休日」より
NIF I EVER HEAR YOU KNOCKING ON MY DOOR
OCHRISTMAS TIME FOREVER

小林武史氏がフル参加しているものの、ただ調理される“まな板の上の鯉”ではなく、メンバーとも議論、音との格闘を重ね、前作「Southern All Stars」とはイメージが変わっている。

@まずイントロの野太いベースラインにやられる。
ツイストを基本に、ラグタイム風のピアノ、ギターはラフなディストーション、ドンカマ打ち込みのリズムもものすごいグルーブ感がある。
「OUR LOVE」で曲調が全く変わるが、ドンカマのリズムは「BOON BOON BOON」のイントロとつながっている。
A歌詞に出てくるようにジャジーなアレンジのジャムセッション風サウンド。
アコギのスライドがけだるくカッコいい。
さすがは、官能詩人桑田佳祐。ジャズのセッションに絡めて色っぽい情事を書いている。
ジャズは俗語で『威勢のいいこと、元気、活気、熱狂』という意味もあって、官能小説などでは“男性自身”や“性行為”を表現するのだ。
『俺のいきり立ったジャズが・・・』とか、駅売りスポーツ紙とかで読んだことあるでしょ?お父さん!!(またエロネタ解説が長いよ・・・)
若い人お勉強になったでしょ?なんせジャズはアドリブだから!?
Bインナー、内向的な曲が多い中で外向きで軽快な曲で際立つ。
去り行く音楽仲間に込めた思いを詩に託していて、間奏のスライドギターのハモリがたまらなくいい。
友と二人で弾いているイメージなのだろうか?
CNTT DoCoMoのCMソング。ワイルドチェリー「Play That Funky Music」サザン版。
ファンキーなサウンドで歌詞のエロさを感じさせない。
“匂艶”といい“エロティカ”といい、まさにオブラートでエロを包む?サザンならではの曲。でも飲み込むとやっぱりエロ!?
あなたなら“ERIKO”を誰に替え“X”と“Y”の部分に何を入れますか?
Dイントロのピアノのコードを聴くと佳ちゃん風ショパン「別れの曲」かと思える。
ストリングスと木管楽器系の音色が哀愁を帯び、まさに慕情を駆り立てる名曲だ。
E軽快な社会風刺で時代をこき下ろす、社会派サザンの代表曲でもある。
悪事を働きながらもどこか間が抜けているニッポンのヒール。
『ま●このー・・・』佳ちゃんに田●角栄が降りてきた!?それともボブ・ディラン?
F哀愁のガットギターではじまる大人の原由子の世界、ちょっとイイ女のストーリー。
“ワケあり”“ゆきずり”のイメージの歌だが、暗さやいやらしさがないところが原さんのいいところ。
Gアナーキーな歌詞ながら独特の世界へ引き込まれる。ブラスとストリングスがその世界の奥行きを広げている。
メロトロンのようなシンセサイザーの音色と間奏に入るテープ逆回し風のエフェクトはプログレ、ピンクフロイドっぽい。
Hテンポのいい軽快な曲。イントロはエレピだが、歌のバックではクラビネット(エレキチェンバロ)の音色がギターと絡みあって今までにない味を出している。
トヨタカリーナのCMに使われていた。
この曲だけではないが、原さんのオブリガードアレンジは健在!隠れているグロッケンの音を見つけてみよう。
Iアイドルポップのようでありながら、実は狂気と妄想と倒錯の世界。
「クリムゾン」「お城においでよ」など「In The Court Of The Crimson King(クリムゾンキングの宮殿)」を想像させる詩があるが、曲調は極めてポップでGSっぽい面もある。
・・・と思ったら、いるよ!キングクリムゾン!!サビのホーンセクションの音が「21St Century Schizoid Man including Mirror」。
80年代後半に東京埼玉などで少女連続誘拐殺人事件があったように、現実と妄想の境界がおかしくなってきた社会を憂いている。
J最終回視聴率34.1%をマークし、社会現象にもなったドラマ「ずっとあなたが好きだった」の主題歌。
こんなにやさしく美しい60年代風ポップスだが、“狂気のマザコン男”冬彦さんが『ムーっ』と唇を尖らせている顔を思い出してしまう方も多いのでは?
K歌詞といい馬の鳴き声といい、明るく愉快で楽しい曲。
おバカなノー天気ポップのようだが、ホーンセクションのアレンジなどがかなり凝っている、ハーモナイザーをかけていると思われるが原さんの声がかわいい。
ギターのリフは出しゃばらずも目立っていてター坊(大森隆志)らしい。『ノッてけ』はゴールデンハーフスペシャル?
L昭和の町並みが目に浮かぶジャズ風アレンジ。
フリージャズをシャウトする佳ちゃんは“狂乱の前川清”。間奏のブラスは音を故意にはずしていておもしろい。
Mタイトルを見ると「マチルダBABY」や「死体置場でロマンスを」を想像するが、軽いノリのポップミュージック。
コーラスでかなり難しいメロディラインを歌う原さんをリスペクト。さすがは“ハトポッポ”をハモれる女。
N「忘れられたBig Wave」がビーチボーイズのようなサーフポップス風なら、こちらのアカペラはあたたかさがあふれるストリート風。
ビリー・ジョエルの「The Longest Time」やティモシー・B・シュミットの「So Much In Love」を彷彿させる。
全編英語詩で、詩はトミー・スナイダー氏によるもの。
Oクリスマスのラブソングの中に平和や反戦という大きなメッセージが込められているサザン版「Happy Xmas〜War Is Over」。
『永遠の生命を』と歌う子供のコーラスがジーンとくるが、子供のコーラスを入れるとき、下手すぎるのは論外だし、あまり上手すぎると逆に興ざめになってしまうため、歌唱指導にかなり気をつかうらしい。
posted by 嘉門祐助 at 00:13| Comment(6) | TrackBack(0) | SAS 30th Anniversary | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
嘉門さん、おはようございます。
先日帰省中に妹夫婦からこのCDをもらいました。
なので、まさにタイムリーなお題だったので、
嘉門さんのおかげで1曲1曲について噛み締めることができてます。
ありがとうございます!

・・でも、「まだ持ってなかったのかよ!」と、咎めないでくださいねっ(笑)
Posted by びーる at 2008年03月08日 11:26
祐助さん、こんにちは。

このアルバムが出る一週間ほど前に祖父がなくなった直後に名古屋のヤマギワ(ソフマップ)で買った覚えがある。

当時は自由がなかった反動で遊びまくっていました。

このアルバムが出た後のツアーの名古屋公演のチケットが取れずに悔しい思いをしたことがある。

佐野さんの冬彦と風間俊介君が金八先生で演じた役は自分自身の周りに心に闇を抱えた人間をいっぱい見たので憎くまれ役だけど可哀想なイメージが強いです。
Posted by スーパーももちゃん at 2008年03月08日 12:52
びーるさんおはようございます。
タイムリーなネタでよかったです。
「君だけに夢をもう一度」の『冷たいシャツは夢の跡』なんて小説のフレーズみたいですよね。
Posted by 嘉門祐助 at 2008年03月08日 13:38
スーパーももちゃんさんこんにちは。
90年代って、バブルが崩壊、不景気で人の心がトゲトゲになって、心の闇を抱えた人が増えた頃ですよね。
このアルバムもインナーなノリですが、BHとOが救いです。
Posted by 嘉門祐助 at 2008年03月08日 13:41
祐助さん、こんばんは。
俺は「HAIR」って曲が好きで、カラオケでもたまに歌うのですが、この曲は難易度が非常に高いと思います。まずイントロなしでのいきなりの歌い出しで、つまずいたらアウトだし(この辺は「TSUNAMI」でも言えます)、独特の曲調だからリズムをとるのも難しいし、最後は最後で、いきなり終わってくイメージがあるので、最後のシメはキッチリと決めないとグダグダ感があるような気がします(笑)。もっと、この曲を歌いこなさないとダメですね(笑)。
Posted by 松浦よやや at 2008年03月08日 17:10
松浦よややさんこんばんは。
「HAIR」とは渋いねぇ、私も大好きですよ。
「HAIR」とかのカラオケってリズムが入ってない部分のアコギの音が聴きづらくて歌いにくいですね。
本当なら弾き語りがいいけど、エアギターでストロークしながら歌うとリズムがとりやすいです、私の場合は。
Posted by 嘉門祐助 at 2008年03月08日 17:39
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